〜ザイオン国立公園〜岩壁と渓谷の美〜　
　差し込む朝日にザイオン国立公園内のロッジ周辺は数百メートルを超す屏風の様な垂直巨岩の壁に
　囲れていた。この岩壁は１５００万年前に隆起した土地を河が深く削り黒・赤・黄・茶と色の違う地層の
　岩壁ととして残ったもので、２億数千年前はメキシコ湾から来た海の浅瀬とは思えない光景であった。　
天空へ伸びる巌や秋闌る
　渓谷美の眺めが一番とい云われる『エンジェルランディング』のトレックは岩場のスイッチバックを繰り返す　トレイルを登り、岩壁に描かれた、横・斜めあるいは縦に入り組んだ地層の複雑な模様を楽しんだ。　
　下山後、園内を走る無料シャトルバス(５分間隔・９ヶ所停車)を利用して様々な岩壁の造形を鑑賞初日を
　終えた。

ブライスキャニオン国立公園〜ピンクに光る尖塔の森〜
　岩の尖塔が立ち並ぶブライスキャニオンは朝日と共に陰影が濃くなり『塔』それぞれが立体感を増し
　その色も透き通ったピンクから紅へと鮮やかな変化を見せてくれる。気温氷点下ではあるが寒さも
　忘れる。高さ１００ｍ、万を超すと思われるタワーが深い谷に林立しており、その造形はバリエーションに　富み無限に続いているように見え、荘厳な雰囲気である。その姿から『サイレントシティー』とも呼ばれ　　ており、この谷は雪・水・風による風化で多くの尖塔が今でも長い時間掛けて生まれ・崩れている。
紅の巌に秋の風静か
　殆どのビジターはこの光景を上から眺めるのみであるが我々は尖塔群の中へ降りトレック。ピンクの
　回廊を回ると様々な形のタワーに出合い、新鮮な体験に喜びは倍加。特にブライトポイントからの
　眺望は正にサイレントシティーそのもの。　
　次の宿泊地『モアブ』へは休憩も含め約６時間の長駆であるが、沿道のテーブルマウンテンや、岩壁の　眺めを楽しみ,１００ｋｍ近い一直線の道路に驚き、２，０００ｍの高地一面を染める白樺の黄葉と遠く
　ロッキーの冠雪に感激し時差ぼけによる眠気を吹き払っていた。

アーチーズ国立公園〜風と水が造った驚嘆の岩場歩き〜　
　赤土の広大な台地は東京２３区の１／２の
規模で拡がり、その中に粘土細工の様な
３０ｍを越す巨大なオブジェが〜人の型・タワーの形・岩塊に窓の様な空洞・大きなアーチ状〜と約１５００が点在、これらを眺めながらトレイル
ヘッドへ、トレッキングコースを進むと穴あき岩、アーチ岩が次々現れ、それぞれに『ダブルウインドウ』『ダブルアーチ』等の名前が付けられている。
　トレッキングコースは中間辺りから岩場のコースとなり、ゴール地点の岩山を回り込むと、突然前方を歩くメンバーから大きな歓声、眼前に
巨大なアーチのオブジェが、形は両足を広げた
人間の下半身に似て膝の辺りが細くくびれた状態で微妙なバランスを保ち絶壁に立っている。
『デリケートアーチ』の名に相応しい２０ｍ近いオブジェである。
　我々が見ることの出来たオブジェはほんの一部分、しかし充分堪能出来た。

モニュメントバレー〜懐かしき西部劇の聖地〜
　早朝、モニュメントバレーの空は東天から中天に掛けて茜から淡いブルーに変化、その空をバックに
　様々な形のビュート(残丘)やメサ(台地)が聳え黒いシルエットを見せている　
　赤土のバレーはナバホ族の居留地で合衆国公認の『独立国』として独自の法律・国旗等を有し、
　エリア内では禁酒法によりビールも売られていない！！・・・・残念。
流星や荒野何処へジョンウエイン
　真っ青な空と、赤茶けた荒野の中に聳える４００ｍに近いビュート。
　ここはジョンフォード監督が『駅馬車』、『黄色いリボン』等ロケ地として多くの西部劇を撮影した場所であり　園内でのジープツアーはダートロードをまるでロデオの暴れ馬に騎乗しているようで、奇岩城の様なメサ　観音様似たビュートブーツの様なビュートこれらの光景を見て回る内に、少年の頃観た西部劇の世界に　入り込んだような気分になり懐かしく胸熱くなる想いであった。

グランドキャニオン〜大峡谷の朝日爽やかに〜
　早朝，三日月とオリオン座を戴きロッジをバスで出発、気温５°トレイルヘッド(標高２,１００ｍ)の
サウスリムは未だ明けやらず、峡谷の直線１５ｋｍ先対岸のノースリムは闇の中!!　
今例会のメインイベントのトレックを６時１０分緊張の中スタート。コースは標高差１１５０ｍの谷底に近い
『プラトーポイント』へ降り、登り返す２０ｋｍのコース。
　明るくなるにつれ大峡谷に林立する岩峰と対岸ノースリムの岩壁の陰影が増し、白・赤・青・緑と断層の　織りなす姿と光りの変化に見とれながら歩を進める.トレイルは整備され直射日光が当たる後半も気温
　３６°湿度５０％の心地よい暑さである。　折返し点のプラトーポイントはコロラド河の大きく蛇行した
　『弧』の先端に突き出た台地で、台地の壁は斧で削いだ様にコロラド河に大きく落ち込み峡谷の大きさを　実感。　歩行は順調で、休憩時間含め往復約８時間弱、ガイドブックタイムを大幅短縮して１５時１０分に
　ゴール！！ハイタッチで全員完走を祝し感激して大峡谷のトレックを終了した。、

セドナ・カセドラルロック〜天高く磁力の山の岩登り〜　
　レッドロックと呼ばれる岩山に囲まれたセドナの町は地球磁力の源が集中すると云われ、
　大地エネルギーの渦巻き〜ヴォルテックス〜が多く存在し、最大渦巻きを有する大聖堂岩と呼ばれる
　カセドラルロックへのトレックに挑戦。
　標高差１８５ｍなれど全てレッドロックのトレイル。ヴォルテックスの恩恵を期待して登る。岩の感触を
　楽しみ、独立岩峰からの周囲の光景に酔い、地磁力で明日のラスヴェガスでの幸運を期待して
　トレックを終了。さて、コース上で耳鳴りのような『ジーッ』と云う異音を全員が聞き、すわ『地磁力』の
　為せる業と大騒ぎ、所が異音は特定の会員周辺から聞こえるらしいことが判り『彼』のリュックを
　調べた結果持参の電子機器が『ＯＮ』になっていたためと判明一件落着となりました。